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平成27年度入学式 学長式辞

今年も、うれしいことに満開の桜のもとでの入学式となりました。


ご来賓のみなさま、本日は年度はじめのたいへんお忙しいところ、ご来席を賜り、どうもありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

また、保護者のみなさま。本日はたいへんお目でとうございます。教職員一同、心よりお喜びもうしあげます。

そして、新入生のみなさん。ご入学おめでとう。わたくしども、こども教育宝仙大学は、みなさんを心から歓迎いたします。


みなさん、新しい門出のときを迎えて、いまの気持はいかがでしょうか。
いろいろな思いが去来していることと思います。将来の夢、希望、あるいは保育の道を選んだことの決意、あるいは新しい学生生活への不安も混じっているかもしれません。長い4年間の学修では、苦しい時や、つらい時もきっとあるでしょう。でもそうしたときには、ひとりで悩んだりしてはいけません。

今日この場に参列している2年生をはじめとして、上級生たちに相談してみてください。彼らもおなじように悩み、乗りこえてきたので、きっとみなさんを暖かくサポートしてくれるはずです。さらにみなさんひとりひとりには、アドヴァイザーの教員がついております。なんでも相談してください。


みなさんには、これからの日本の未来を担い、こどもたちの未来を育むという重要な使命があります。21世紀の保育の現場では、生まれた国や言葉もちがうさまざまな子どもたちや、ハンディキャップをもつこどもたち、アレルギーをもつこどもたちも増える傾向にあります。また、このところよく話題になるネグレクトされているこども、虐待されているこどもたちも少なくありません。ひょっとすると過疎化が進行する地域では、お年寄りたちも、みなさんの守備範囲に入ってくる時がやってくるかもしれません。


昨日、4月1日から「子ども・子育て支援新制度」がスタートしましたが、いまという時代は、子育てをする人びとにとっては、必ずしも恵まれた時代であるとはいいきれません。保育者には、こどもたちだけでなく、これまで以上に保護者たちとも向きあい、相談に応じる力が求められています。だからこそ、保育の専門家へのニーズと期待は、ますます大きくなっているのです。


こうした新しい時代の課題に積極的に取り組むのが、四年制大学の使命であり、こども教育宝仙大学がめざすところです。そのため本学は、昨年からオーストラリアでの保育研修を開始し、多文化共生保育を体験することにいたしました。保育英語の教育にも力をいれています。さらに「保育の現場を知る」という新しい、実践的なカリキュラムも用意しています。期待してください。

本学は1935年に、この中野の地で創立された仏教保育協会保姆養成所からはじまりました。仏教精神をもとに、知識だけでなく、生きる知恵を養い、他者を認め、思いやる心を育てることを、建学の精神としています。以来80年におよぶ歴史と伝統のなかで、本学は時代をリードする保育者教育を心がけてまいりました。この間に多数の卒業生が、幼稚園や保育園の園長先生や主任の先生をつとめ、「保育の宝仙」「宝仙の保育」と高く評価されてきました。本日、ここに来賓としてご列席のあかつき会会長の荒川先生、宝仙学園幼稚園の田苗園長先生をはじめ、先輩がたの存在は、みなさんにとってなによりの励みとなることでしょう。


さて、みなさんは本日入学式を迎えたばかりですが、ここで4年後の自分をイメージしてくだい。どうなっているか、どのような力をつけているか想像してみてください。保育の世界はあんがい間口が広く、奥行きも深いものなのです。

たとえば、この3月に卒業した学生たちの卒業研究発表会というのがありました。そのほんの一部をここで紹介してみましょう。

児童文学や絵本に関連する卒業研究のなかでは、グリム童話と世界の民間伝承とを比較した研究や、メリー・ポピンズを例にイギリスと日本の子育て事情を比較研究したもの、さらには韓国の絵本を日本語に翻訳したものや、自分で絵本を制作した人もいました。

また教材開発関係では、こどもが口にしても安全なクレヨンや、身近な素材による手作りおもちゃや、キッチンセットをこしらえたグループもありましたし、おおきな滑り台を段ボールでいかに丈夫で安全なものを作るかという研究もありました

このほか、こどもとアレルギーについて調べた食育についての研究や、児童養護施設のこどもたちに対する表現プログラムの開発、自分で作成した映像に人工音声をもちいてナレーションをつけたものなど、じつに多種多様で幅広い研究が報告されました。これらはほんの一例ですが、みなさんも保育の世界の広さと奥行きを実感することができるのではないでしょうか。


なかでも感心しましたのは、あるグループの報告でした。それは、卒業する仲間と、将来、理想の保育園を作ろうと決めて、そのために法律や制度の研究からはじめ、ついには理想とする保育園の建物模型まで作ってしまったという力のはいった研究でした。建物のコンセプトは、角のない安全な建物というもので、丸を基本とした明るい建物でした。なによりも、将来、いっしょに卒業する仲間と力をあわせて理想の保育園をつくろうという夢をもち、その実現にむけてものごとをひとつひとつ積み上げていくという情熱に感銘をうけました。こうした志のある学生たちを社会に送り出すことができて、本当に幸せでした。


保育者には、夢と情熱が必要です。みなさんも、いまの初心を忘れないでください。

わたしたちこども教育宝仙大学もみなさんといっしょに、夢と情熱をもって未来を育んでいきたいと考えております。みなさんに大いに期待しています。

これをもちまして、学長からのメッセージとしたいと思います。

みなさんご入学おめでとうございます。

平成27年4月2日 こども教育宝仙大学長 山本 秀行

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