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平成28年度入学式 学長式辞(要約)

新入生のみなさん。ご入学おめでとうございます。わたくしども、こども教育宝仙大学は、みなさんを心から歓迎いたします。

みなさんのなかには、これから始まる大学生活をまえにして、緊張し、すこし不安になっている人もおられるかもしれません。

たしかに、はじめての大学生活では、緊張し、とまどうことが多いのではないかと思います。

まず授業時間がちがいます。90分もあります。高校の倍の長さです。ひと眠りして目がさめても、もういちどは寝なおしができるくらいの長さです。

また、教科書がなく、高校の先生のように丁寧に板書をしてくれない授業もあります。わたくしの授業がそうです。けっして、漢字を書きまちがえたり、ど忘れすることを恐れているからではありません。本当のところはそうなのですが。

大学では、先生の話していることを、自分なりに整理して、ノートにまとめる力が求められています。そのための訓練をしているのだと、自分には言い訳をしているのですが、あまり説得力はありません。

こうして、みなさんは高校とのちがいに、とまどい、緊張し、おおいに疲れることでしょう。しかし、そのうちにみんな慣れてきます。先生たちの人柄や、授業の進め方、くせなどわかってきます。慣れてくると、少し余裕ができて、まわりのことや、ほかのことが見えてきます。するとなにか新たな発見や気づきもあるでしょう。 そこからがおもしろくなるのです。 みなさん、早く大学生活に慣れてください。

さて、こうして慣れてくると、専門の授業以外にも、本学にはおもしろそうな、いろいろなプログラムがあることが、見えてきます。今年度からはじまるマイスター制度もそのひとつではないでしょうか。これはみなさんが、自信をもって保育の現場にでることができるように、「もうひとつの力」を身につけてもらうためのものです。期待してください。

そのほかにも、現場で必要となる臨機応変に対処する力や、みんなで協働する力、リーダーシップなどを育てるための本学独自の課外プログラムというのが目に入ってくるかもしれません。この課外プログラムは、国内では富山県の利賀村で、国外ではオーストラリアのゴールドコーストで実施いたします。

昨年、「オーストラリア幼児教育・保育体験及び英語研修プログラム」から帰国した学生たちの報告を聞きました。向こうの育児施設では、室内を土足のまま歩き、しゃぼん玉もするそうです。その砂でザラザラした床で、食事をとり、お昼寝もするようです。もっと驚いたことは、食事や午睡の時間も、日本のように一斉に始めて、一斉に終わらせるのではなかったといいます。こどもにあわせているので、それぞれが好きなときに食べて、お昼寝をするというのです。

清潔と規律を重視する日本では考えられないことだったとびっくりしていました。日本ではあたりまえのことが、そうではなかった。しかし、最初はとまどったものの、だんだん自由と個性を大切にする保育もいいかなと思うようになったそうです。なかには海外での保育をめざしたいと語る学生もおりました。

この学生も、日本の文化や保育に慣れていたからこそ、オーストラリアとのちがいが目についたにちがいありません。そしてオーストラリアの保育文化に慣れるにしたがい、余裕が生まれて、日本とちがう保育もおもしろく感じるようになったのかもしれません。

慣れるとは、きまりきったことを惰性で続けるということではありません。慣れるということは、ものごとの流れや全体の様子がつかめ、習慣になることで、秩序ができてくることです。

もっと重要なことは、慣れることによって、ほかのことに目をむける余裕が生みだされることです。それによって、これまでの知識や習慣を、他者との出会いや体験をつうじてとらえなおし、自分に合ったものや、よりよいものにしていくことです。それが大切なことだと思います。

宝仙学園の創立者、冨田斅純先生は、つねづね「真の教育とは、たんに知識や技術を植えつけるものではなく、それらを人生に活かす知恵とすることに他ならない」とおっしゃっておられました。

みなさんも早く大学生活に慣れて、ほかのものを見る余裕をつくりだし、知識を知恵にしていかれることを願っております。

21世紀の保育と未来を担うのはみなさんです。
大いに期待しています。

平成28年4月2日
こども教育宝仙大学長 山本 秀行

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