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平成29年度入学式 学長式辞(要約)

このところ肌寒い日が続いておりましたが、ようやく春らしい日差しが戻ってまいりました。どうやら桜も見頃となり、うれしい入学式となりました。

新入生のみなさん。ご入学おめでとうございます。わたくしども、こども教育宝仙大学は、みなさんを心から歓迎いたします。

みなさんご存知のように、いまわが国では、幼児教育や保育がさまざまに論じられ、マスコミを賑わせております。

待機児童問題をはじめ、幼児の虐待やネグレクト、学校教育を幼児段階まで早めるかどうかなど、話題も多岐にわたっています。このことは、いまや時代が大きく変化していて、これまでの保育や幼児教育のシステムでは立ち行かなくなってきていることの表れでもあります。

保育者の仕事は、こどもの大切な命を預かり、ひとりの人間として生涯にわたって成長していく基礎をつくり、生きる力を育くむものです。そのことに変わりはないのですが、しかしいまではそれだけに止まりません。園児だけでなく、保護者や、地域で子育てに悩む人びとにも寄り添うことが求められているからです。

幼稚園教諭と保育士をあわせて保育者といいますが、これからの保育者は保育と教育の両方に通じていなければなりません。みなさんのこれからの4年間の学びは、専門職に必要な知識と経験を身につけていくためのものです。楽ではありませんが、本学には、そのためのすばらしい環境があります。

たとえば、授業の合間や昼休みに、ホールやラウンジ、コモンズに行けばすぐにわかることです。あちこちで学生たちが思い思いに集まって、保育教材の制作をしたり、宿題をしたり、実習ノートのつけかたを教えあったりしています。分からないことは上級生に聞いたり、通りがかりの先生にヒントをもらったりしています。家でも勉強はしているのでしょうが、本学の学生たちは大学で仲間といっしょに教えあい、作業をするのが好きなようです。

新入生のみなさんは、最初はこの光景にびっくりするかもしれません。たくさんの学部や学科がある大きな大学では、なかなか見られないからです。私が学生のころは、文学部の学生だったら、大学にはあまり顔をださないで、家で本を読んでいたり、大学に来ても授業には出ずに、サークル活動や、映画や演劇に熱中する者など、それぞれで、バラバラでした。

ところが本学では、1年生から4年生まで、全員がプロの保育者になることをめざしています。みんなが共通の目標に向かって、協力し、教えあっています。目には見えませんが、これが本学の大事な財産で、誇りとするところです。たとえばラウンジやコモンズは、そのままでは大学が用意した空間にすぎません。しかし、その空間をみなさんが勉強の場に変えることで、仲間や上級生、教員が自由に参加する、本学ならではの開かれた学修環境ができるのです。

あたりまえのことなので、ついつい見過ごしてしまうのですが、じつはこうしたすばらしい学修環境が本学の長所なのです。

しかし、長所は短所でもあります。長所と短所は別々にあるのではなく、ひとつ事柄がある面からみれば長所でとなり、別の面からみれば短所となるのです。おなじものでも、長所にもなれば短所にもなるのです。

本学でいえば、全員が保育の専門職をめざしているとういう点が長所でもあり、短所なのです。

先ほども申しましたが、保育者はこどもたちだけでなく、保護者や地域社会ともかかわらなければなりません。いろいろな人がおります。大学の外にでて、他の世界を知らなければなりません。専門の保育者になるには、保育以外のことも学ばなければならないのです。

もちろん、本学にはそのためのプログラムも用意してあります。
2011年の東日本大震災をきっかけとて、南三陸の復興を支援する私立大学のネットワークができました。本学はその幹事校をつとめています。このスタディーツアーに参加すると、現地で活動し、他大学の学生と1週間寝食をともにすることになります。これが貴重な経験となるようです。

このほかにも、オーストラリアで保育英語を学びながら、現地の保育を体験するプログラムや、富山県の利賀村で伝統文化と触れ合う1週間の研修もあります。

ぜひ外の世界とふれあうことで、保育者に必要な引きだしの数をふやしていってください。

21世紀の保育を担うのはみなさんです。
しっかり勉強して、こどもからも、同僚からも、保護者からも、また地域社会からも信頼され、頼りになる保育者を目指してください。
みなさんに期待しております。

平成29年4月2日
こども教育宝仙大学長 山本 秀行

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