検索結果

トップ > ニュース一覧 > 松岡 綾葉 専任講師 研究紹介:自由なダンスとこども

研究室だより
自由なダンスとこども

2019年度の研究室だよりで、私の研究実践では「型の無いダンス」や「自由なダンス」に取り組んでいることを書きました。今回はそれらのダンスが一体どのようなものであるか少し掘り下げてみたいと思います。
おおよそダンスには「振付」と呼ばれるからだの動きがつきます。この振付は、ダンスのジャンルによって様々なスタイルがありますが、足を上げたり、回転したり、ジャンプしたりなど、日常動作ではまずもって行うことのない技巧的で特殊な動きを持つことが多いです。
もちろん「型の無いダンス」や「自由なダンス」にも振付は存在しますが、ダンスらしい技巧的で特殊な動きにこだわる必要はまったくありません。どのような動きを取り入れようと「自由」なのです。例えば日常生活で行われる動作やスポーツ等の動作を取り入れてもOK。何の動きなのか傍から見ても分からないほどあいまいで不思議な動きでもOK。上手に動けなくてもOK。身体を使った動きならば何でも振付にしてしまって大丈夫なのです。
どんな動きも振付として取り入れられるので、自由なダンスの中には、「これってダンスなの?」と感じるものも多く存在します。また、ダンステクニックの向上を目的としたものではないので、ダンスを通して味わえる美的表現やダイナミックな律動性を感じられないかもしれません。しかしこどもの世界において、自由なダンスを学ぶことは非常に意義深く重要です。理由はいくつかあります。
第一に、特に小さなこどもほど「ダンスはこういうものだ」という概念がまだ定着していません。そのため、この時期に「何でもあり」の自由なダンスに触れることで、無限の発想力と伸びやかな表現力を伸ばすことができます。
第二に、自由なダンスには「できる・できない」や「上手・下手」という概念はありません。型のあるリズムダンスは不得意でも、自由なダンスになると個性的で面白い表現をするこどもがたくさんいます。「自分らしさ」を表現できる自由なダンスは、将来に必要な自己肯定感(自分自身を価値ある存在としてありのまま受け入れることができること)を育むことができます。
第三に、自由なダンスに取り組むことは、こどもと関わる保育者にとっても効果的です。大人になるほどダンスに対する価値観が形成されてしまいます。そのため、「自由に動いてみよう!」とこどもたちに声かけをしても、保育者自身がどう動けばよいのか分からなくなってしまいます。(だからこそ身体表現の指導を苦手と感じる保育者も多いのですが)自由なダンスを通して、保育者自身もダンスに対する先入観を捨て、こどもと同じ目線でダンスに向き合うことができます。
本学では、型のあるダンスと同様、自由なダンスの実践を行います。「これってダンスなの?」というダンスを次々に生み出して、身体表現の可能性を広げていきましょう!
  専任講師 松岡 綾葉
研究分野:舞踊学、身体表現、身体教育学

自由なダンスとこども:fig1

自由なダンスとこども:fig2

写真:外部でのダンスワークショップの風景。こどもたちが思いきりからだを動かせること、様々なアイデアをからだで表現できることを目指します。

toTop