「健康」という言葉の説明として、世界保健機関(WHO)のWHO憲章の前文に掲載されている「Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.(健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。)(日本WHO協会訳)」(1947年)という定義を思い浮かべる人が多いと思います。健康に関連した用語として、他にもQOL(Quality of Life)(「生活の質」「人生の質」など)や、well-being(「安寧」「良好な状態」「幸福」など)といった言葉もあり、健康は、QOLの向上やwell-beingを達成するための一つの資源として扱われる場合が多くなっています。
健康づくりには、個人が努力して自分の健康をつくるという側面と、社会が健康づくりを支援するという2つの側面があります。個人として積極的に健康行動を良い方向に変容する上で、自尊感情(セルフエスティーム)の構築が大切であると言われており、子どものうちから、自己を価値ある存在と認識できるよう、周りの大人が愛情を注ぎ、褒めることを惜しまず、子どもが安心して生活できるようにしていくことが大切です。もちろん、健康政策や環境づくりという公共的なことも重要ですが、保育者、保護者、地域の大人といった子どものすぐ近くのマンパワーの影響も子どもの健康づくりに大きいということを忘れてはなりません。